Chapter 3 統計ソフトRを用いた政治イベント分析
3.1 統計ソフトRとRStudio
イベント分析は、基本的に量的なデータを扱う手法である。このため、データを構築し分析するためには、エクセルのようなスプレッドシートを扱うことのできるソフトウエアや量的なデータをもとに各種の計算をする統計ソフトウエアが必要である。読者が既に習熟したソフトウエアをもっているのであれば、それを利用すればよいが、もし、どのソフトウエアを使ったことがない人やここであらためて学び直したいという方は、統計ソフトRとRStudioを併せて使うのがお勧めである。その一番の理由は無料で使えるからである。
従って、本書では統計ソフトRとRStudioを中心に具体的な事例やそのデータ処理の仕方などを説明する。Rよりも他の統計ソフトのほうが分析しやすい部分がある際にのみ、別のソフトウエアを導入することとする。
Rはプログラミング言語のひとつであり、統計分析、データ解析、グラフィック出力などに特化した機能をもっている。研究者の間で一般的に使用されているソフトである。本書でRに加えてRStudioも利用する理由は、RStudioがRを便利に使えるような工夫を凝らしたソフトウエアだからである。RStudioと併用することによって、より効率的に様々な計算や作図を行うことが可能になるのである。
3.2 RとRStudioをインストールする
RとRStudioをインストールしよう。まず先にRをインストールし、その後にRStudioをインストールする。具体的には以下の手順でインストールをおこなう。
- Rをインストールする
“The R Project for Statistical Computing”のダウンロードページから最新のRをダウンロードする。
(1-1) macOSユーザーの場合
上記画面で”Download R for macOS”をクリックする。すると、以下のような選択肢のあるページが表示されるので、使用しているmacパソコンに対応するバージョンを選ぶ。可能なら最新のバージョンを選ぶのが良い。
その後はインストールの指示に従ってインストールする。
(1-2) Windowsユーザーの場合
上記画面のダウンロードページ”Download R for Windows”をクリックする。すると、以下のページが開くので、“install R for the first time”という部分をクリックする。
続けて表示される画面の上部の”Download R-4.X.X for Windows”の部分をクリックするとダウンロードが始まる。
この後のインストールについては、このページを参照。
- RStudioをインストールする
次に、RStudioをインストールする。RStudio Desktopのページ(https://posit.co/download/rstudio-desktop/#download)からダウンロードする。
(2-1) macOSユーザーの場合
上記RStudio Desktopのページの下部に、“macOS 12+”用のRStudioをダウンロードできる部分があるので、ここからダウンロードしてインストールする。
(2-2) Windowsユーザーの場合
上記RStudio Desktopのページの以下の”2: Install RStudio”の部分のダウンロードボタンをクリックする。ダウンロードが始まるので、終了後にダウンロードしたファイル(RStudio-XXXXX.exeのような名前のファイル)をクリックする。